2.泣いちゃうかもよ


2-1 最後のデート


家にいればたいてい、家族そろって食べていた 休日の昼食。

その日、ママはめずらしく父をさそって外食にでかけた・・。
二人で仲良く、栄養のつくものをたべよう、と父の腕をとって。

私は兄と、留守番をしていた。
めずらしいなぁ、と思いつつ。

その夕方、ママが倒れた。  

こわかった。

痛い、痛いよ、パパ、助けて!!!パパ---!!
ママが叫びつづける。
おおやけどをしたときも、ひどい怪我をしたときも、
冷静だったママが、泣き叫んでいる・・。

私はもう、凍りついたように動けなかった。

ママ、しっかり、ママ!!ママ!!

家の中で父の怒声だけが 響いていた・・。

救急車が来て、病院に着いて、
看護婦さんやお医者さんが走ってきて、
ママをとりかこんで、あわただしくいろんな処置をしてくれた。

でも、ママはもう、点滴の管でグルグルまきにされて、
まるでベッドにしばりつけられているみたいだった。

私も父も兄も、同じように縛り付けられたみたいになって、
身動きできなかった・・ ママ、かわいそう、ママ・・・。  

翌日、病院をうつることになった。
県立の大きな病院だった。

きっと、これでママはダイジョウブ、って
そう思って兄と病院の外にでたとき、

たくさんのカラスが、
早朝の街のゴミを荒らしていて、
嫌な嫌な、風景だった。 。


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